自然派化粧品好きなら、一度は「マルセイユ石鹸」の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、マルセイユ石鹸は実は一般名詞。さまざまなメーカーが作っています。その中でも伝統の製法をきちんと守っていると言われるのが「マリウス ファーブル」のマルセイユ石鹸です。
この「マリウス ファーブル」のマルセイユ石鹸には「ビッグバー」と名づけられた、重さ2.5kgという巨大な商品があります。状態をよく保つ役に立つ木箱に収められたそれは、もちろんそのままでは使いづらいので、付属のワイヤーでカットして使います。なお、このワイヤーは昔、マルセイユ石鹸が大きなサイズで作られ、カットして製品化される際に用いられていたワイヤーのレプリカだそうです。購入から時間が経つと、乾燥して固くなり、切りづらくなるので、購入後、早めにすべてカットしたほうがいいようです。
今回わたしは、イベントの「こだわり商品研究所」ブースで、「マリウス ファーブル」のマルセイユ石鹸ビッグバーをワイヤーでカットする体験、自分でカットしたマルセイユ石鹸をいただいてきて、使い始めました。
この機会に...と「マリウス ファーブル」のマルセイユ石鹸ビッグバーについて調べ、まとめました。
▼本物のマルセイユ石鹸「マリウス ファーブル ビッグバー」を扱っている【こだわり商品研究所】では、さらに詳しく歴史などがわかります。▼
▲マルセイユ石鹸マリウス ファーブル ビッグバーをワイヤーでカット
マルセイユ石鹸とは?
マルセイユ石鹸とは、フランス国王ルイ14世が「バターも (動物由来の)脂肪もいらぬ。オリーブで作った石鹸をこれへ」と、勅令で原料から製造方法、製造期間などまで項目ごとに厳しく指示した、その勅令どおりに作られた石鹸にだけ認められていた呼称です。勅令では、原料のオリーブの収穫時期などまで実に細かく指示されています。 実はマルセイユの石鹸作りが始まったのは千年以上も前でした。時代と共に原材料や製法が変わりながら、次第に高級石鹸の産地として有名になっていったのですが、一方でマルセイユ石鹸を称する粗悪品も出回るようになり、それを問題として重く受け止めたルイ14世が先の勅令を出しました。勅令が出されたのは1688年10月5日。 それから三百数十年。次第に勅令を守っていないマルセイユ石鹸も増えていきました。1855年のパリ万国博覧会で金メダルを受賞した「マルセイユ石鹸」は実はピーナッツ油とパーム油で作られていたとか。
なぜ「マリウス ファーブル」社のマルセイユ石鹸なのか
近代化の波と共に、プロヴァンスでは石鹸会社が少しずつ消えていきました。伝統産業が消えゆこうとしているのを見たマリウス・ファーブル氏は、 私財を投じて、その技術を買い取り、後世に伝えようと決心、少しずつ原点からずれていったマルセイユ石鹸を復活させました。1900年、マリウス ファーブル社の創立です。
マリウス ファーブル社は歴史ある 最大のメーカーとして規模と品質で頂点に立っています。創業以来、製法や成分に徹底してこだわり、守り続けてきたことを評価され、フランスの経済産業及び雇用省が認定するEPV(Entreprise du Patrimoine Vivant。生きた文化遺産企業。企業国宝のようなもの。)に指定されたほどです。欧米ではマリウス ファーブル社を「最後のマルセイユ石鹸屋さん、マリウス ファーブル社の石鹸を「王家の石鹸」と呼んでいます。
マリウス ファーブル社では植物油だけを用い、合成物や着色料を一切使わず、徹底して自然派で作るのが、マルセイユ石鹸の条件と考えています。マリウス ファーブル社の石鹸はオリーブオイル、コプラ(ココヤシの種子の胚乳を乾燥したもの)とパルム(ナツメヤシ)、ソーダと塩という、シンプルな材料だけで作られています。
元祖であるオリーブオイルの石鹸なら色はグリーン。ココナツとパルムを使っている場合なら、色は白。「マルセイユ石鹸」と名乗りながら、ピンクなどの色の石鹸は本来のナチュラルなマルセイユ石鹸ではないとしています。現在の5代目は前の代から受け継ぐ際に、ピュアな植物性を保つことと、着色料は使わないことについては厳しく言われたとか。
マリウスファーブル社では石鹸の製造工程で、代々の社長が石鹸の味見をするそうです。職人はそれくらいナチュラルで安心な素材で作られています。
なぜビッグバーなのか?
いろいろ調べましたが、確かな情報は見つけられていません。しかし、どうやら、ビッグバーは手作りの枠練り。同じマリウス ファーブル社の石鹸でも、他のサイズは機械製の機械練りとのうわさです。
「2.5kg?大きすぎる!」
でも好みのサイズにカットして使うことができます。ワイヤーでのカットも楽しいですが、めんどくさいと思う方は、ふつうの包丁で切れるそうです。
1本の価格が1万円を超えると思うと「高い!」と思ってしまいますが、この量あると、一人、あるいは夫婦二人なら1年は優に使えるそうです。というか、ふつうに顔や体を洗う程度なら、もっとずっと長く使えますね。1か月換算にすると数百円。そんな贅沢ではありません。
髪を洗うのに使う人、ふきん洗いから、洗濯石鹸として使う人、使い方はひとそれぞれで、かなりいろいろ使えるようです。
また、マリウス ファーブル社の石鹸は時間が経っても品質があまり落ちず、長い年月置いておいても、悪くならないようです。7,8年は大丈夫という情報も見ました。
正しい保存方法
マルセイユ石鹸は届いたら、水分が多くて柔らかい内にすぐにカット。カットした後は、ラップなどにくるまないで、通気性のある木箱などで保存して、乾燥させるのが正しい保存方法です。 どうやら、乾燥すると、気になるにおいがなくなるだけでなく、泡立ちがよくなったり、洗い上がり感が良くなるようです。
気になる香りは?
マリウス ファーブル社のマルセイユ石鹸は無香料です。従って、原料のにおいがそのままします。新しいマルセイユ石鹸、まだ柔らかい状態の石鹸は強烈なにおいがします。粘土のにおいに近いかなあ。
我が家の連れ合いは臭いに敏感なので、マルセイユ石鹸は自分が使うのはいやだと...主に髭剃りに使うので顔につけるから...と拒否られ、さらにお風呂場に置いておくことも拒否られました。なにせ、わたしがロクシタンのボディクリームを夜、風呂上がりにつけると、翌日の朝食の食卓で隣に座ったわたしに「その香りが、食事にときにするのはいうやだ」などとよく拒否られます。3日もすると慣れたりしますが...。
マリウス ファーブル社のマルセイユ石鹸の強烈な香りも3日あれば慣れるという方もいます。でも、わたしは3日経っても、気になりました...が、実はわたしはお風呂場に置けないとなったときに、ビニール袋に入れて洗面所に置くことにしたんですよね。だから乾かず、いつまでもにおっていたんですね。
というわけで、明日、何か木箱を探して、ビニールから木箱に移そうと思います。
いまのところ、わたしはにおい以外は気に入っていて、特につっぱり感がないのに、さらっとした洗い上がりが気に入っています。
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カット体験
ワイヤーでのカット、楽しかったですよ。
動画はこちら。
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