ヒートテックをはじめとする防寒ウエアについて、メーカーの方やショップの方などにいろいろ聞いたり、調べていくうちに
「そもそも寒いときに、温かさを求めてヒートテックの下着を買うのはまちがいじゃないか?」
と思うようになりました。
発熱効果は3分まで!?
防寒下着の方向性として、「発熱」と「保温」2つの方向があります。
ヒートテックの一番の売りは、「吸湿性にすぐれた特殊な綿が、体から蒸発する水分を吸収して熱エネルギーに変換。素材自体が温かくなる」という発熱性。
日経トレンドネットの記事によれば
吸湿発熱素材といっても、湿度を与えれば永遠に発熱し続けるわけではなく、一定量の水分を取り込んだ後は発熱効果がなくなる。もちろん、乾かせば発熱効果は復活するが、一度脱いで乾燥させてから再度着るということは考えにくいので、発熱効果は基本的に着た直後だけということになる。
この記事では発熱効果でヒートテックの素材が温かくなるのは最初の2-3分程度で、後は徐々に温度は下がるとされています。
わたしはユニクロは「汗をかいてもすぐ乾く」ことも売りにしているので、脱がなくても乾きやすいだろうとは思うのですが、あれだけ薄い生地では吸収できる汗の量が少ないのではないかと思っています。
また防寒下着に関する記事をいろいろ読んだところ、やはり発熱素材は少し汗をかいたときに熱を発する素材ながら、汗をかきすぎると発熱効果が発揮できなくなるようです。
自転車のロードレースしていた連れ合いが、「ヒートテックを着たら逆に冷えた」というのも納得です。
自分自身が10月末に着てみての実感では、じっと座ってパソコンに向かっているとだんだん冷えてくる一方、洗濯物を畳むなどちょっとした家事で体を動かすと、汗をかくからでしょうか、とたんに暑くなって、今度は逆に汗でしっとりしてくる感覚があります。
保温性は厚み勝負
発熱効果を望めるのが最初の3分までなら、その後は保温性が勝負。
もちろんヒートテックは素材の保温性もあると言っています。しかし...ヒートテックの温かさは「スーツスタイルのインナーとしても着られる薄さにしては...」の温かさ。実際、昨年、テストするモノ批評誌「モノクロ」の機能性インナー8製品を徹底比較した検証結果でも、保温率は平均以下で下から3位。決して保温性は高くありません。それはなぜでしょうか?
先日、防寒着メーカーに、防寒をうたう複数の服の「どれが温かいですか?」とお伺いしたときに知った事実があります。
結局、保温のためには、最良の断熱材、空気の層をどれだけ暑くできるかが勝負。そのために空気をたくさんまとう素材が開発されたりしているのですが、結局は温かさは厚みが勝負。保温性が低い素材を使っても、より厚くすれば、保温性が高い素材で作られた防寒下着と温かさは変わりません。
メジャーに売られる商品は街着前提。エベレストの頂上でも寒くないウエアを作れても、それを売り出して買う人がどれだけいるでしょうか? 日本全国の多数の店で大量販売される商品は、満員電車に乗る勤め人が汗だくにならないていどの温かさに作られています。
従って、温かくできる技術は、メジャー商品を作る際には「薄さ」へ向けられます。街で着るのにちょうどいい温かさを、特殊素材なら、薄く実現できるということ。
ユニクロ自身でさえ、「もっと寒いシーンでも使えるヒートテックが欲しい」というお客様の声に応えようとしたときに作り出したのは、ババシャツ並に分厚い「ヒートテックエクストラウォーム」でした。
触れたときのひんやり感は否めない
化繊のヒートテックは触感がひんやり。ユニクロの店でヒートテックのコーナーに置いてある見本を握ってみれば、それは誰でも実感することだと思います。
ちなみに「極暖」をうたう「ヒートテックエクストラウォーム」も外側に触れるとひんやりしますが、内側は起毛加工で、触れたときの温感を作り出しています。
ユニクロで購入するなら、温かさを求めれば、ヒートテックではなく、ヒートテックエクストラウォームを購入すべき。
ただヒートテックはあまたある防寒下着の中で、保温性も吸湿発熱性も格別高くはありません。テストするモノ女性誌「LDK」による機能性インナー6製品比較で、ヒートテックは保温性が3位、吸湿発熱性が4位でした。
ちなみに吸湿発熱性の1位はワコールのウンナナクール「ぽか太郎」。
保温性1位はベルメゾンの「極上ホットコット」。2位の製品よりも5%以上高い保温性でした。
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